オーバーホール出来る出来ないの境目

ビルシュタインのオーバーホール
形状的にはできるショックアブソーバーでも、アウターケースの劣化が進んでしまうとNGな事も

表面に出ている多少の錆であればブラスト作業で落として再塗装できるのですが・・・
塗装の下まで腐食が進んでいると危険です

 

 

ズームアップ
塗装だけじゃなく本体もペリっとめくれてくる状態まで進行
お皿の溶接部分がかなり腐食しているので危ないかも

 

こちらは上の写真とは別のお車の取り付けブラケット部
上側の穴の下部分が膨らんできています。2枚重なった部分で内部の腐食により膨張しているみたいです

 

ケース本体の深い部分へ腐食が進んでいる場合には、オーバーホール不可の判断をさせていただくことがあります。
この写真の状態のショックアブソーバーでもアウターケース以外はオーバーホールすれば綺麗にできるので残念なのですが、、、

 

オーバーホール 到着から出荷まで

オーバーホールの現場からリポート!!!
エナペタルに荷物が到着してから出荷されるまでをご紹介します!

荷物到着です。
ご依頼ありがとうございます♪

 

 

 

まずは、外観チェック&作動確認
伸び縮みスムーズに動くかな
ピストンロッドの傷は目視できるものはもちろん、微妙に爪に引っかかる程度でも傷があればこの時点で既にアウト判定

 

キャップを外して作業開始です

 

 

分解前にガス反力チェックして
機械を使って分解します
分解詳細はヒ・ミ・ツ
オイルもガスも抜いてバラバラに

 

 


分解したら内部部品の状態を入念にチェック
消耗している部品は交換します
ユーザーさんにご負担いただく外装部品以外にも内部部品で交換する部品も多数あるんですよ~

今回は塗装もメニューに入っています

左写真=塗装前の状態 写真右=ブラスト作業後
塗装は綺麗に剥がします
錆びている時は錆も一緒に落とせますが、シリンダーにポコポコは多少残ります
ポコポコなくなるまで削り取っちゃうとシリンダーの肉厚薄くなっちゃいますからねー
これも一つの個性、味!ということで~


内部の内部まで分解して綺麗にしていきます


ピストンロッドは研磨して、磨いて、洗って・・・傷が浮いてきたら交換対象になります


洗浄された部品、交換した部品を再度組み上げ完了

 

 

次は塗装します

サフェーサー塗ってから色付け
ピカピカになりました♪

乾かしてから作業記録簿、注意書きを同封していよいよ出荷です

ありがとうございました。
よみがえったショックアブソーバーで気持ち良いドライブしてくださいね♪

エナペタルでは定番ビルシュタイン、純正ビルシュタイン、エナペタル製ビルシュタイン、エナペタルE-12のオーバーホールをしています(正立式ストラット等一部できない形状もあります)
オーバーホールして長く愛用してくださいね。

質問集:消耗品

Q:オイル漏れしてないから基本工賃だけで行けるよね!
A:そうとも言えないのです。。。ゴメンナサイ

消耗品の交換はなぜ必要なのでしょうか。

ストラット形状の場合交換する確率「大」なのがメタルです。
アウターケースとシリンダーの間にあるパーツ
シリンダーが上下運動する際に常に擦れている為長年使用しているとすり減ってきます。すり減りが多くなると横方向のガタツキからコトコトした音に繋がっていきます。

左:シリンダーを抜いた画像
中:矢印部がメタル(ピストン径30φカートリッジタイプ)
右:右側新品、左側使用済のメタル

ウィッシュボーン系の場合交換する可能性が高いのがゴムブッシュ
ゴム質なので車体を支えている間に変形、亀裂が入ってきます。

共通部品としてピストンロッドは比較的交換の可能性が高い消耗品です。
ピストンロッドは、車の走行中常に上下運動しています。
使用している間に、傷、削れ、焼き付き等出てきます。
そのまま使用していると傷や削れ箇所からオイルが漏れ出してくる可能性があります。
傷といっても見るからにキズ!というわけではなく目視では分かりずらい爪に少〜し引っかかる程度の傷でも交換が必要になります。

矢印部分がピストンロッド
倒立式ストラット形状の△部分はピストンロッドではなくシリンダーになります。ピストンロッドは右側のケースの中に隠れています。外観から確認することができないので状態を把握するには分解することになります。ご理解ください。

他にバンプラバー・ダストブーツ等がありますが、純正流用だったり不使用だったり車種によって異なります。

中古で入手される場合は要注意です。
オイル漏れありません!問題無く動きます!という情報で入手してオーバーホールに出されたユーザーさん、思ったより金額かかることになりショックを受けている事も・・・

質問集:オーバーホール依頼手順

「オーバーホールってどうやって依頼するの?」
「直接依頼できるの?」

エナペタルではお車への脱着は受け付けておりません。
ショックアブソーバーの作製、オーバーホールメンテナンス作業に全力で取り組んでおりますのでご了承ください。

★脱着含めて依頼したいユーザーさん
お店さんによってオーバーホール受付の可否があるかと思います。
お近くのカーショップさん、修理工場さん、ディーラーさん、等々へ相談ください。
当社ホームページの販売店リストもご参照ください。

★自分で脱着できる!持込み可能な業者知ってる♪ユーザーさん
宅配便で送ってください。輸送中破損しないように緩衝材でくるんでくださいね。
作業後の発送はお振込み確認後となります。

★取り扱い初めて!やってみようか!と手を挙げていただけるお店さん
ユーザーさんが相談に来られた際はご案内致しますのでお電話ください。

オーバーホールは実際のショックアブソーバーを確認しないと御見積が出ません。
作業希望内容を記入したオーダー用紙を添えて送ってください。
荷物到着→御見積提示→内容承認→作業となります。
基本の価格はホームページで確認できますのでご参照ください。
到着した順に作業しております。予約制ではありません。準備が整い次第送付くださいね。
減衰力固定式とE-12は通常10日間前後の納期です。
減衰力9段調整式、10段調整式は現物を確認しないと納期が出せませんのでご注意ください(廃盤による部品供給中止、日本国内に交換部品の保有在庫が無くドイツ取り寄せにより数か月かかる場合が発生する為)

質問集:オーバーホールしたほうがいいの?

「オーバーホールってした方がいいの?」
「オーバーホールって何するの?」

是非オーバーホールしてください!
ショックアブソーバーは
車が走っている間一生懸命働き続ける機能パーツ、消耗品なのです

オーバーホールとは、ショックアブソーバーの内部洗浄です
分解して内部パーツをきれいに洗って、
走行中ピストン運動を繰り返す内に傷ついたりすり減ったりした部品は交換
新しいオイルとガスを入れて組み直します
新品に近い元気な状態に戻す作業です

外観からはわからないけれど、ショック内部は疲れてしまうと・・・

うわぁ〜!!中のオイルが真っ黒に〜

新しいオイルの色はこんなにキレイなのにねぇ

音が出てきたり、オイル漏れがあればもちろんオーバーホールしなくちゃ!となると思いますが・・・
外見はピンピンしてるのに検査するとあちこちガタが来る身体同様–;
実は、外観は問題なくても内部や消耗品はくたびれていたりすることも

どれくらいの間隔で出せばいいの?
簡単に取り外しできないし、できるだけ引っ張りたい!
もちろんオイルが黒くなったからって使えないわけじゃぁ〜ない
(BILSTEINはオイルの粘度で減衰力を出しているわけではありません)
あとどれだけもつのか・・・究極は・・・使ってみなくちゃわからない^^;
エンジンオイル交換やタイヤ、ブレーキパッドの交換等もタイミングは人によってバラつきありますよね〜
最終的にはユーザーさんの思うところ次第!?

走る距離だけじゃなく、路面状況や走り方、使用頻度、車格、色々な事が絡んでくるので一概には言えませんが
☆ノーマル形状ストリート使用で走行距離3万Km〜4万Km
☆ネジ式車高調で走行距離2万Km
☆モータースポーツ使用では年1回
あくまで目安として参考までに!

長持ちすると信頼いただいているBILSTEINですが、
なが〜く使う為にはやっぱり早めのメンテナンスがお勧めです!

質問集:どこ見たらわかる?エナペタル??


歴代ショックアブソーバーに貼付けられていたステッカーを並べてみました
上から古い順になっています

①1980年代〜
この頃の製品は定番BILSTEIN、エナペタル製なかなか判別つきません。。。
定番BILSTEINには現在も使用されているステッカーです。
次の?時期以降でこのステッカーが貼られているのは定番ですね。
定番ショックにはこのステッカー以外に、品番の入ったステッカーが付いていると思います(古い物は紙、新しい物は?同形状)
②1990年代中頃〜
初期タイプステッカーのBILSTEINアルファベット前にロゴが入り、その下にennepetalと入っています
③2002年頃
このステッカーはエナペタル製のみです。わかりやすい!
④2003年頃〜2014年
エナペタルの表記がありません。定番BILSTEINでも使用されているステッカーですが、
印字内容2行目の始まりが、EB、EP、EV、ERで始まる文字列はエナペタル製
⑤2014年11月〜
最下段にProduced by ENNEPETAL表記入りました

③以降の年代の場合は、印字されている内容を最後の数字までお伝えいただくと製品情報を把握しやすいのです。

手にしたBILSTEINの正体を知る手掛かりとしてご参照くださいね

質問集:オーバーホールできますか?【ビルシュタイン編その2】

Q『ビルシュタイン使ってるけど、オーバーホールできるんですよね?』

A減衰力調整式の場合は要注意です

長らくご愛用いただきました9段調整式
BPSキット(ドイツBILSTEIN製品)
EB9(国内エナペタル作製製品)
は廃盤または廃盤方向となっています
↓ダイアル形状↓

(上段:正立式ダンパー 下段:倒立式ストラット)
オーバーホールは可能ですが
消耗品の交換部品が出た場合、国内に在庫が無い可能性が高くなっています。
その場合ドイツからの取り寄せとなりますが、供給自体が終了している場合もあります。
取り寄せ可能な場合でも最低2、3か月以上の日数が必要です
形状によっては12段調整式に変更したり、調整機能を無くし固定式にすることも選択肢としてご案内しますのでご相談ください

ドイツBILSTEIN製品
PSS10(現行名B16)(減衰力10段調整式)
↓ダイアル形状↓

オーバーホールは可能ですが
9段調整同様、消耗部品の国内在庫が品薄です。ドイツから取り寄せの可能性が高くなります。
取り寄せ可能な場合でも最低2、3か月以上の日数が必要です

エナペタルオリジナル製品
E-12(減衰力12段調整式)
↓ダイアル形状↓

(上段:正立式ダンパー 中段:倒立式ダンパーカバー付 下段:倒立式ダンパーオプションダイアルアダプター付)
オーバーホール可能です
ちなみに、E-12はメインパーツはビルシュタインですが、12段調整用の調整機構が弊社オリジナルとなっていますので、エナペタルブランドとさせていただいております。

質問集:オーバーホールできますか?【ビルシュタイン編その1】

Q『ビルシュタイン使ってるけど、オーバーホールできるんですよね?』

Aビルシュタインでもオーバーホールできない物があります。

それは非分解式
文字通り、分解できないからオーバーホールできない!

ストラット形状の場合
倒立式=オーバーホール可 

ストラットから出ているメッキ部分
倒立式はシリンダーになります
シリンダー(矢印部)外径φ34:画像左、またはφ40:画像右

正立式=オーバーホール不可

ストラットから出ているメッキ部分
正立式はピストンロッド(矢印部)になりますφ20前後?

ストラット以外の場合
カシメタイプ=オーバーホール不可

シリンダーの口元が加締めになっている画像右側は分解できません
画像左側はできるタイプです
車種によってはキャップがかぶっていてそのままでは分からない場合があります
ちょっと厄介な・・・

以上、減衰力固定式の場合でした
減衰力調整式は次回〜

質問集:オーバーホールできますか?

『ショックアブソーバーは何でもオーバーホールできるの?』

純正ショックのオーバーホールしてほしいんだけど?
××のメーカーのオーバーホールできますか?

というご質問をいただきます

当社はBILSTEIN(ビルシュタイン)専門メーカーです
純正ショックアブソーバーや他メーカー様のオーバーホールは残念ながらお受けできないのです・・・

純正でビルシュタインが付いている場合は一部を除きオーバーホール可能ですヨ
一例)
レガシィ型式BG系〜BH系は可能 BP系以降はフロントのみ可能
RX−7 型式FD3S 可能
ロードスター NA,NB系は可能 NC系は不可
メルセデスベンツAMG 不可タイプ有
ポルシェ フロント不可タイプ有
等々

形状による可・不可の見極めは別のページにて

質問集★ご案内

エナペタル製品・BILSTEIN製品を

♪ご愛用いただいている皆様
♪興味を持っていただいている皆様
♪聞いたことはあるけれど、よく知らない皆様
♪全然知らないけれどなんとなく当ブログへたどり着いた皆様

車大好き!!なすべての皆様へ

不定期ですが、日々ご質問いただく内容を少しずつ『質問集』のカテゴリー内でご紹介させていただきます

愛車を可愛がる選択肢として、少しでも参考になることができれば幸いです!